教育学科の卒業生の状況について
日本女子大学教育学科の卒業生は、教職に限らず多様な進路を選んでいるのが特色です。教員採用試験に合格し新卒で教員となる学生も多い一方で、一般企業や行政、NPO、地域社会などで活躍する卒業生もいます。大学院に進学し研究を深める人や、在学中に取得した教員免許のほか、社会教育主事(社会教育士)、社会調査士、図書館司書、博物館学芸員などの資格を生かして、専門性を活かしたキャリアを築く卒業生もいます。
主な進路一覧

教員
浦和ルーテル学院小学校/神奈川県公立小学校/川崎市公立小学校/埼玉県公立特別支援学校/さいたま市公立小学校/相模原市公立小学校/静岡県公立小学校/千葉県公立小学校/東京都公立小学校/東京都公立特別支援学校/横浜市公立小学校
事務(総合・一般職)
川崎市/埼玉県/佐倉市/東京・特別区/平塚市/ジェーシービー/みずほフィナンシャルグループ
営業
内田洋行/近畿日本ツーリスト/総合警備保障/明治安田生命保険
進学
日本女子大学大学院/埼玉大学大学院/東京学芸大学大学院
卒業生の声
一人ひとりに向き合う姿勢
小学校の教員
日本女子大学附属豊明小学校
木村 早紀子
幼い頃より小学校教員になることを志し、教育学科に入学しました。大学4年間の生活は今思い返すとあっという間の時間でした。何より、ゼミでお世話になった田部俊充先生はじめ、教育学科の諸先生方が授業以外のところでも手厚くご指導してくださり、学ぶことの楽しさを教えてくださいました。くわえて、教員になるためのさまざまな実践の場が充実しており、常に教育を身近に感じることができたのも教育学科の大きな魅力でした。その過程で、さらに学びを深めたく大学院に進みました。大学院では、社会科教育のなかでもアメリカの地理教育史に焦点をあて、当時の地理教科書を時代ごとに比較しながら、研究を行いました。
現在、日本女子大学附属豊明小学校の教員として4年目を迎えています。毎日、さまざまな表情を見せてくれる子どもたちと関わるなかで、私自身大切にしていることは「一人ひとりに向き合う姿勢」です。これは教育学科で学んだ6年間で、先生方が私たち学生一人ひとりに向き合ってくださったまなざしがあったからこそ、今に生きているのだと思います。


行政職として地域の社会教育を支える
社会教育主事
東京都杉並区役所
福田 花梨
私は杉並区役所に事務職として入庁しました。現在の部署は、家庭教育講座の企画・実施、PTAや青少年委員の活動支援を担当しています。元々は小学校教諭になりたいと思い、教育学科に入学しましたが、社会教育主事課程でも学びを深めるうち、社会教育が地域をつくっていることに魅力を感じ、卒業後は地域の社会教育を支える仕事に就きたいと思い、現職を目指しました。日々の業務では保護者同士のつながりを深めるきっかけづくりや地域で活動している区民との対話が多いため、区民の声や想いに耳を傾けて対話をしながら業務を行うように心がけています。この想いは、教職課程と社会教育主事課程の授業で多くのグループワークを経験し、対話の中に多くの気づきがあることを学んだからです。皆さんも、在学中に多くの人と関わり対話をすることで、新しい発見や気づきがあり、きっとそこから未来への道が開かれていくのではないかと思います。
「学び」は知識によるものだけでない
一般企業
足利銀行
小林 加苗
私は大学で中高の教職免許と社会教育主事を取得しました。教育学科では、学問としての「教育」だけでなく「学び」の本質について深く学べたと感じています。特に印象に残ったのは「人生は常に学びである」という言葉でした。「学び」は知識によるものだけでなく、ゼミや実習を通じての様々な人との出会いや気づきによっても得られるものだと実感しています。どんなことにも「学び」があり、自分の成長に繋げることができる。教育学科で得られた「学び」は今でも私の心の礎となっています。
卒業後「地元に貢献したい」という思いから足利銀行に就職しました。現在はライフプラン・アドバイザーとして、お客さまのニーズに合わせた資産運用の提案をしています。また資格の勉強や日頃から先輩方のご指導を受け、新しいことを学び少しずつ成長を実感できるのはとても楽しいものです。これからも地元の皆様との出会いを通じて自らが成長できるよう精進を重ねていきたいと思います。


現状の教育を批判的な眼で捉える
進学
日本女子大学大学院教育学専攻
河村 優花
わたしは、2019年に本学科に入学し、その後、博士前期課程、後期課程と学んできました。学部時代は、教員免許取得を目指して勉強していました。この時、子どもたちを育てることを通して、社会を創っていく教育という営みの素晴らしさと同時に、現状の教育を批判的な眼で捉え、よりよい教育のあり方を考え続ける姿勢を学びました。社会学、心理学、哲学、行政学、教科教育学といった多様な専門分野がそろっている本学科だからこそできた学びだと思います。そして、その姿勢は現在研究を続ける支えとなっています。
学部を卒業したあと、わたしは本学の教育学専攻に進学しました。現在は、移民第二世代に関する研究をしています。どのように研究対象と向き合えばよいのか、どのような方向に研究をしていけばよいのか、迷うことは多々ありますが、迷うことができるというこの専攻の環境そのものが研究という行為を豊かにしてくれていると感じています。